脱炭素コンシェルジュデスク
再生可能エネルギー・EV活用および災害時レジリエンス強化に貢献する
DCリンク(直流連系)型産業用蓄電システム


吉澤秀人氏、清水勉氏
課題
ニチコングループは温室効果ガス削減の目標値を設定しており、再生可能エネルギー由来の電力やEVの活用推進がグループ全体の重要課題となっています。
またニチコン亀岡株式会社は臨時避難所として自治体に登録されており、災害時には工場建屋の一部を避難所として地域住民に開放することとしています。避難者の安心・安全のための非常用電源の確保が事業所としての課題でした。
対策
太陽電池(23.76kW)、DCリンク型蓄電システム(20kW, 29.8kWh)、V2X(6kW, 3台)から構成されるシステムを導入しました。平時は太陽光発電を事業所内の自家消費およびEVの充電に活用し、非常時には定置用蓄電池およびEVから避難スペースの照明や自動販売機に電力供給できるシステムを構築しました。本システムは機器の間で直流の電力融通を実現したもので、給電時のエネルギーロスが低減され太陽光発電を有効に活用できます。またEVを蓄電池として活用できるので、同じ容量の定置用蓄電池を導入するケースと比較して低コストで非常時用の電源を確保できました。なお本事業は環境省より機器費・工事費の2/3の補助を受けて実施しました。


成果
導入した太陽光発電の自家消費による2022年度のエネルギー消費削減効果は25,142kWhでした。電力消費によるCO2排出量に換算すると年間14.56tのCO2削減となりました。又、非常時には据置型蓄電池に加え、EV車3台の車載蓄電池を活用して長時間の電源確保を実現しました。